記事「Readerカバー作り方」へのコメントでプラスチックパーツの作り方を教えてほしいとのご要望がありました。 写真入で紹介します。 ピンボケ写真になってしまいましたがご容赦下さい。

先に概要を書くと次のような手順です。
 1. マスター製作 (三次元CADでモデリングデータを作り、造型機で製作)
 2. シリコンゴム製の型を製作
 3. プラリペアという樹脂補修材で成型


最初に、Reader PRS-350のカバー取り付け用の窪み周辺をノギス測定して三次元CADで作図してモデリングデータを作り、造型機(3Dプリンター)でマスターを作りました。 3Dプリンターによるマスターは造形の仕組みによって表面がザラザラしています。(ガーゼ位のメッシュ構造です。)

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写真のように指の付け根付近に円筒形の突起を付けた短靴のような形をしています。 かかと部分には後で説明するドリル作業の中心になる窪みを作っています。

この短靴のようなマスターの足の甲側を適当な容器の底に両面テープで固定し、シリコンゴムを流し込んで型を作りました。
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この型の中で樹脂を硬化させればパーツが出来ます。 初めはクリスタルレジンと言う2液性のエポキシ樹脂を使おうと考えたのですが、今回のように極少量を使う場合は扱い難いと考えて、プラリペアを採用しました。

上の型にパウダーを入れてリキッドを注入する作業を3回程度にわけて成型します。 一回で作ろうとすると底の部分にリキッドが回らず成型不良になってしまいます。

数分待って型から取り出すと下図のようなパーツが取れます。
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バリをとって、必要に応じてヤスリ掛けして形を整えます。

このパーツをアクリル製の丸棒の両端に接着することでカバーを止めるのですが、市販の丸棒(押し出し成型品)は外径のバラツキがあって、直径2mmに対して2.1mm程度のものもあります。 手持ちの丸棒に合わせてプラスチックパーツに貫通穴を開けてアクリル棒を接着します。 そのドリル作業の中心がかかと部分の窪みです。

プラスチックパーツをお分けすることも可能ですが、以上の通り射出成型品と異なる品質と作業時間を要します。 ご理解頂いた上でご希望があればパーツ提供を考えてみたいと思います。

ご意見等、お聞かせ頂ければありがたいです。

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